看護師不足・医師不足の問題の原因

看護師不足が囁かれ始めて長くなりますが、未だにその問題の解決には至っていません。看護師の就労数は増加の傾向にあり、一見人手不足は解消されているように感じます。しかし、その一方で離職数がそれを上回って増えており、それが人手不足の解消に至らない原因の一つになっているのです。離職が増えることで看護師一人あたりの業務は負担は必然的に大きくなるでしょう。そのことがまた看護師のストレスになり、さらに離職を増やしてしまう結果になっています。このような負のスパイラルが今日まで続いており、一向に問題の解決にならないのです。

看護師が離職してしまう理由として最も多く挙げられるのが、残業による超過勤務や夜間勤務などが辛いということです。先述したように、看護師の数が足りなければ一人が抱える仕事量は増え、それが超過勤務の原因になっていると考えられます。また入院患者を受け入れている医療施設の場合、看護師のシフトには夜勤が組み込まれます。夜勤と日勤のシフトにより生活リズムが狂ってしまうことも多く、それが原因で体調を崩してしまう看護師が多くいるのも事実なのです。

看護師の人手不足と同じく問題になっているのが、医師の不足です。これは、2004年に導入された「臨床研修制度」が原因ともいわれています。臨床研修制度とは、研修医が出身大学の医局に関わらず研修先の病院を自由に選択できる制度であり、それにより勤務条件の良い都市部の民間病院での研修の希望が殺到。医局の関連病院に派遣していた医師を引き上げたことで医師不足が発生したといわれています。医師不足や看護師の不足を含め、病院などの医療機関の問題は私たちの生活に関わってくるため、早急に解決することが重要です。