さまざまなリスクをはらむ人手不足問題

看護師は、時に人の命を預かることもあり、責任の重い仕事と言えます。看護師の人手不足は、この責任の重い仕事に大きな悪影響を与えるリスクがあり、早急に解決しなければなりません。具体的に起こるリスクとして医療ミスが挙げられます。厚生労働省からの資料では人手不足を原因とする医療ミスは実際に起きており、病床に対して看護師の数が多い所ほど医療ミスは少なく安全であると発表されています。看護師の数が増えれば患者の細かな部分まで診ることが可能なため、医療ミスや事故を減らすことができるのです。

医療ミスが起きる原因として考えられる理由の一つに看護師一人あたりの仕事量の負担が大きいことが挙げられます。人手不足が問題の医療現場では、看護師の抱える負担は大きくなる一方です。患者の様態を見逃してしまったり、薬の取り違えなどミスを起こしてしまうのは、看護師が多忙であることが原因といって良いでしょう。残業などの超過勤務による過労も問題視されており、責任の重い仕事をこなす看護師の労働環境は決して良い状況とは言えません。

また、今後迎える超高齢化社会ではさらに医療の需要が伸びると予測されます。後期高齢者が増えるのに対し、若い世代の労働力は減少。医療現場でも看護師の人手不足の問題はさらに深刻になるでしょう。問題を少しでも解消するために、賃金の引き上げや福利厚生の充実化、潜在看護師の活用などさまざまな取り組みが行われています。今後もさらに問題の解消に猛進することが必要です。